エンドレス・ツール
「ほんと、何やってんだか。あたし」

「まあ、仕方ないな。酒の魔力ってのはほんま恐ろしいで。これからは酒に飲まれて同じ過ちを繰り返さないようにするしかないわな」


今の一言でなつはあたしの言いたいことを理解したらしい。


なつはあたしが翔さんとやってしまったことは知っている。まあ、無理やり白状させられたんだけど。


最初こそ喜んでいたなつだけど、あれから翔さんと全く連絡を取っていないあたしを見てさすがのなつも黙るようになった。


翔さんとは全く連絡を取っていない。


まあ元々そんなに連絡する仲でもなかったし。会えば話す程度の仲だったし。


あたしは思い上がっていたのかもしれないな。


『好きな人じゃなくても男は女を抱ける』


どっかで聞いたフレーズの意味を、この身をもって知った気がする。


翔さんも男だった。


それだけの話。


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