エンドレス・ツール
「知ってる? しょーちゃんって、学部内ではかなり嫌われてるんだよ」

「え?」


高橋くんはふう、とため息を吐く。それから鞄からペットボトルの水を取り出して机に置いて、ギャップを開けた。


「まあ、そういうことを繰り返したわけだからね、その好きになった子の中には同じ学部の子も何人かいたわけ。ある一人が一夜の後にコクったんだって。しょーちゃんは、当然断った。それでうっかり口を滑らしたっぽいんだよね、元カノを忘れられないって」

「それで遊ばれたって、その子が言いふらしたわけか」


なつがふんふんと頷く。


「それ以来、経済の女子から嫌われてるって嘆いてた」

「まあ、自業自得やな。そんなん、嫌われて当然や」

「しょーちゃんもそう言ってたけどね、そんなしょーちゃんでも俺はやっぱり嫌いになれないんだよな」


高橋くんの喉元が動く。綺麗だなあ……って、あたしは思わず見とれていた。


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