エンドレス・ツール
10.君を愛するあたしのわがまま
「聞いたんでしょ、あいつから」
お茶の入ったマグカップをあたしの前に置いた翔さんは、わずかに苦笑していた。
「聞きました。元カノのことも、遊んでるってことも」
「……事実だから何も言わないどく」
「まあ、誰でもびっくりしますよね。いかにも真面目な翔さんが遊んでるような人なんて。元カノが聞いたら、呆れますよ」
「元カノのせいにするつもりはないよ。俺も、いつも後悔してる」
「じゃあ、なんでやめないんですか」
あたしが睨みつけると、翔さんは「怖い、怖い」とあたしを宥める。
「恨んでるでしょ、俺のこと」
「恨む必要がありません」
「なんで? りーのこと、何とも思ってないって言っても?」
「それでも恨みません。好きな人に抱かれることは、どんな理由であれ、素直に嬉しいんですよ。余計なことを考えるから恨みや落ち込むことがあるだけで」
「意外にピュアなんだ」
「さあ」
今こんな会話が成立するのも、あたしが翔さんに会って早々告白したからであった。
お茶の入ったマグカップをあたしの前に置いた翔さんは、わずかに苦笑していた。
「聞きました。元カノのことも、遊んでるってことも」
「……事実だから何も言わないどく」
「まあ、誰でもびっくりしますよね。いかにも真面目な翔さんが遊んでるような人なんて。元カノが聞いたら、呆れますよ」
「元カノのせいにするつもりはないよ。俺も、いつも後悔してる」
「じゃあ、なんでやめないんですか」
あたしが睨みつけると、翔さんは「怖い、怖い」とあたしを宥める。
「恨んでるでしょ、俺のこと」
「恨む必要がありません」
「なんで? りーのこと、何とも思ってないって言っても?」
「それでも恨みません。好きな人に抱かれることは、どんな理由であれ、素直に嬉しいんですよ。余計なことを考えるから恨みや落ち込むことがあるだけで」
「意外にピュアなんだ」
「さあ」
今こんな会話が成立するのも、あたしが翔さんに会って早々告白したからであった。