エンドレス・ツール

「……どうかな」


翔さんは目を伏せた。


翔さんを追い詰めているのは、またもやあたしだった。


「……ごめんなさい」


翔さんの顔を見て、あたしはいとも容易く折れてしまった。



泣きそうになってる翔さんに、問い詰めるなんてできない。


意志薄弱なのだ、あたしは。


「謝らないでよ、俺が悪いんだからさ。言われるのは当然」


そんな弱々しい笑顔で言われたら、問い詰める気力も萎えてしまう。


「りー」

「……はい」

「たぶんね、俺は」

「……はい」

「りーは、他の女とは違うんだよな。だから、後悔した。他の女を抱いた後の焦燥感じゃない、ただ後悔した」

「……それは？」

「恋愛感情ではない。俺は、優希(ﾕｳｷ)が好きなんだ」


──優希。


翔さんの、元カノ。


「……だったら、なんで会いに行かないんですか？」


今日のあたしは、いつになく攻撃的だ。