エンドレス・ツール
「……嫌い、ね」
くっと笑い声を漏らして、頬杖をついていた翔さんの顔が上がる。
あたしは体をわずかに強張らせる。
「そういうりーも、俺は嫌いだし」
「……お互い様ですね」
あたしは唇を噛み締める。
自業自得とはいえ、好きな人に嫌いと言われることは、かなりのダメージだ。
「嫌い合ってる仲ね」
翔さんの笑みはあたしの体を硬直させた。
普段の翔さんの笑顔は、あたしを安心させてくれた。太陽の下で寝転んでいるような、そんな開放感に似ていた。
笑顔には種類があるんだ。
そんなことをあたしが頭の中で考えている間に、翔さんの体が動いた。あたしは衝撃にいとも容易くよろけた。
「……翔、さん」
翔さんがすごい形相であたしの両肩を掴んで、体を壁に押し付けた。
「嫌いな者同士がやると、どうなるんだろうね」
その形相のままにやりと笑ってくる翔さんは、あたしの知る翔さんではなかった。
肩を押し付けている力は、あたしでは振りほどけない。
あたしはそんな翔さんの顔を見つめるしかできなかった。
くっと笑い声を漏らして、頬杖をついていた翔さんの顔が上がる。
あたしは体をわずかに強張らせる。
「そういうりーも、俺は嫌いだし」
「……お互い様ですね」
あたしは唇を噛み締める。
自業自得とはいえ、好きな人に嫌いと言われることは、かなりのダメージだ。
「嫌い合ってる仲ね」
翔さんの笑みはあたしの体を硬直させた。
普段の翔さんの笑顔は、あたしを安心させてくれた。太陽の下で寝転んでいるような、そんな開放感に似ていた。
笑顔には種類があるんだ。
そんなことをあたしが頭の中で考えている間に、翔さんの体が動いた。あたしは衝撃にいとも容易くよろけた。
「……翔、さん」
翔さんがすごい形相であたしの両肩を掴んで、体を壁に押し付けた。
「嫌いな者同士がやると、どうなるんだろうね」
その形相のままにやりと笑ってくる翔さんは、あたしの知る翔さんではなかった。
肩を押し付けている力は、あたしでは振りほどけない。
あたしはそんな翔さんの顔を見つめるしかできなかった。