エンドレス・ツール
「俺がさっきのメールの真意に気づいて翔のもとに行ったら、あいつ床に座り込んで魂が抜けた顔してた。

謝ってた。璃里香ちゃんをあんなにしたのは自分だって」

「…………」


あたしは唇を噛み締めたまま何も言えなかった。


悪いのはあたしなのだ。


あたしが煽ったのに……。


「俺が話しかけたら、あいつ、笑うんだよ。どうせ東京に行くからいっかって。

そういうことじゃねーだろって言ったら、翔が逆ギレして殴られた。まあ、殴り返して、軽く取っ組み合いになったけどな」

「す、すみません……」


涙が溢れてきた。視界が滲む。


ばかだ、あたし。ケイゴくんまで巻き込んで、あたしは何をしているんだ。


あたしはそこまでして何をしたかったんだ。


「……待って、ケイゴくん。今、東京に行くって言うた?」


ケイゴくんの言葉に一番早く反応したのはなつだった。


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