エンドレス・ツール
02.ハートの形
「でねっ、ケイゴくんったらな、もう激しくって、激しくって」
「…………」
「もう、いつ寝たかわからんくらい、朝までずーっと一緒だったんよ~」
「……あっそ」
「もう、璃里香、ちゃんと聞いてや~」
「聞いてるよ」
「なんなら、もうちょいリアクション頑張ってーや」
「そんな話されて、誰が食いつけるの? ていうか、朝までやって、よく午前中の講義に間に合ったよね」
次の日。あたしは昨日の、いわゆるなつの「熱い夜」について聞かされていた。
なつは大声で話すけど、あたしは人の話には専ら興味がない。
「璃里香がそんなに興味ない人間やとは思わんかったわ」
「なつこそ、真っ昼間からそんなに公然と話せると思わなかった。で、そのケイゴくんとは付き合うことになったの?」
「う~ん、わからん」
「は?」
「連絡先は交換したけどな、そういう話はせんかったし」
「それ、昨日のこと公にしちゃダメじゃないの? フラれたらなつが損するだけだよ」
「いや、あれは気持ちが通じ合った行為やった」
「よくわかんない……」
何が気持ちが通じ合うのか、何が体だけなのか、あたしにはわからない。
「…………」
「もう、いつ寝たかわからんくらい、朝までずーっと一緒だったんよ~」
「……あっそ」
「もう、璃里香、ちゃんと聞いてや~」
「聞いてるよ」
「なんなら、もうちょいリアクション頑張ってーや」
「そんな話されて、誰が食いつけるの? ていうか、朝までやって、よく午前中の講義に間に合ったよね」
次の日。あたしは昨日の、いわゆるなつの「熱い夜」について聞かされていた。
なつは大声で話すけど、あたしは人の話には専ら興味がない。
「璃里香がそんなに興味ない人間やとは思わんかったわ」
「なつこそ、真っ昼間からそんなに公然と話せると思わなかった。で、そのケイゴくんとは付き合うことになったの?」
「う~ん、わからん」
「は?」
「連絡先は交換したけどな、そういう話はせんかったし」
「それ、昨日のこと公にしちゃダメじゃないの? フラれたらなつが損するだけだよ」
「いや、あれは気持ちが通じ合った行為やった」
「よくわかんない……」
何が気持ちが通じ合うのか、何が体だけなのか、あたしにはわからない。