エンドレス・ツール
電車に乗って着いたキャンパスは、あたし達が普段通っているキャンパスよりも断然広くて綺麗。


うーん、格差がひどい。


主に理系の学部だから、設備が充実しているので有名。


「ケイゴくん、どこにいるの?」

「工学部やから、あっちのキャンパス」

「は? 待ち合わせしてるんじゃないの?」

「誰がそんなこと言うた? バリバリ突撃訪問するつもりやで」

「はあ……」


もう、勝手にしてくれ。


「あ、ケイゴく~ん!!」


歩き始めてすぐ、なつがケイゴくんのいる集団を発見した。


「あれ~、夏香ちゃん、どうしたの、こんなとこまで」

「へっへー、ちょっと寄り道しただけだよ~」


こいつ、完全にまだ付き合ってないな……。


なつの神経の図太さには感心させられる。


つーか、標準語かよ。


「あ、翔さんも、昨日はありがとうございました~」

「お~、昨日ケイゴと頑張ったんだろ~?」

「もう、翔さん、やめてくださいよ~」


なつの笑い声が辺りに響く。


翔さん?


あたしは思わずなつがいる方へ振り向いた。


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