エンドレス・ツール
ケイゴくんが呼んでいるなんて適当なことを言ったら、なつは瞬きする間もなく教室を出て行ってしまった。


自分で仕掛けたことなのに、逆にぽかーんとしてしまった。


た、単純……。


「何々、璃里香ちゃん、俺と付き合う気になってくれた?」


高橋くんは何か勘違いをしているらしい。


「ごめんね。あたし、好きな人がいるから」

「え? 璃里香ちゃん、まさかの彼氏持ち?」

「いや、違うけど……」


まさかのって、失礼だし……。


事実だから何も言えない。


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