エンドレス・ツール
「いとこ……。じゃあ、血の繋がりがあるんだ」


うわ、言われても全然そんな気がしない。


それくらい、二人が放つオーラが違いすぎる。


共通して言えるのは、二人とも綺麗な顔ってことだけかな。全く違うタイプだけど。


「高橋くん、翔さんのことしょーちゃんって呼んでんだ」

「うん。だって、普通に読んだら『しょう』じゃん。俺はむしろしょーちゃんがりーって呼ぶことに驚いた」

「え? ああ、だって可愛いじゃん」

「璃里香ちゃんは可愛いよ。じゃあ俺もりーって呼んでいい?」

「だめ」

「えー、けち」


ぶーっと頬を膨らませる高橋くんなんか気にせず、あたしの心臓はうるさかった。


やばいよ。翔さんに可愛いって言われちゃったよ。いや、呼び名がってことなんだろうけど、でも恥ずかしいよ。うれしいよ。いやでも恥ずかしいよ。


「言っとくけど、俺は浮気なんかしません。お前の方がしてるでしょ」

「俺は付き合ったらとことん愛するの~!」

「お前、何歳だよ……」


これって、両手に花状態?


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