恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
「あ、先輩、鍵が……、」
先輩が突然“訂正”なんかするから、頭がついていかなくてぼーっとしてる。
それでも、鍵がかかってる事を思い出して言うと、先輩がわざとらしく軽く首を傾げた。
「あれ? 信じてたんだ」
そう言った先輩がドアにかけた手を引くと、ガラっと音を立ててドアが開く。
―――鍵がかかっていたはずの、いわくつきのドアが。
「なんで……、だって、鍵が、」
「大野さんが鍵かけたなんて嘘だよ。
鍵なんかかかってないよ。……初めからね」
「は?!」
驚く事しかできないあたしに、先輩がとどめを刺す。
本日一番の、とびっきりの笑顔で。