恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
『幽霊が怖いなんて、可愛いね、朱莉』
まだ耳に残る先輩の言葉。
まだ頭の中に張り付いてる、あの余裕たっぷりの微笑み。
先輩の顔とか声が頭から離れなくて脳内を侵す。
悔しい。
今までは、それだけ感じてイライラしてればよかったのに……。
最近のあたしの頭の中は少しおかしくて。
悔しいとも怒りとも違う、名前のつけられないような感情がこみ上げてきて、イライラを誘う。
それが気持ち悪くて、ぎゅっと拳を握り締めた。
全部……、全部取り消しだ。
全部撤回。
特に、さっきの図書館での事は全部なし!