恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


そんな密室騒動から数日。

あの時感じた気持ちの悪い、割り切れないような感情はというと。


嫌な具合に大きくなって、あたしを悩ませ続けていた。



『え、失敗に終わったの?

せっかくセッティングしてあげたのにー』


全部を話すわけにはいかなくて、仁美には失敗に終わったとだけ報告した。

仁美は疑う様子なんか見せないで、“なーんだ、やっぱり”ぐらいのリアクションで。


っていうか、失敗するだろうって思ってたなら最初から閉じ込めないでよ、なんて思いながらも、何も聞かれなくて安心した。


仁美への報告も無事終わったし、図書館での出来事は全部消去してホントに終わり。


そんな風に思ってたのに。



< 111 / 364 >

この作品をシェア

pagetop