恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
そんな密室騒動から数日。
あの時感じた気持ちの悪い、割り切れないような感情はというと。
嫌な具合に大きくなって、あたしを悩ませ続けていた。
『え、失敗に終わったの?
せっかくセッティングしてあげたのにー』
全部を話すわけにはいかなくて、仁美には失敗に終わったとだけ報告した。
仁美は疑う様子なんか見せないで、“なーんだ、やっぱり”ぐらいのリアクションで。
っていうか、失敗するだろうって思ってたなら最初から閉じ込めないでよ、なんて思いながらも、何も聞かれなくて安心した。
仁美への報告も無事終わったし、図書館での出来事は全部消去してホントに終わり。
そんな風に思ってたのに。