恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


朝も無駄に早く登校して、生徒会の指導が始まる前に校門を通る。

廊下や階段でも細心の注意を払う。


壁に張り付いて、進行方向の確認、とまではいかないけど、曲がり角で頭だけ出してキョロキョロしたりして。

……まるで逃亡者の気分。

それか、警察に追われてる犯罪者。


まぁ、向こうはあたしを追ってるわけじゃないから、勝手にあたしが逃げ隠れしてるだけだけど。


……でも、本当に相沢先輩になんか追われたら絶対に逃げ切れなさそうだし。


あのキレる頭で、あたしが立てた一時しのぎにもならない作戦なんかとは程遠い緻密な作戦を組み立てて、見事にターゲットを捕らえる。

抜け出す事のできないような罠に追い詰める。


……案外合いそう、警察とか。

そのターゲットに超同情するけど。


血も涙もない作戦、平気で実行しそうだし。



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