恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
……あれ?
よく考えてみれば、一番敵にしたくない相手をターゲットにしてるのかも。
なんか、相沢先輩をターゲットにした時点で、既に失敗だったような……。
そんな事を考えて苦笑いしながら肩を落とした。
「ねぇ、朱莉なんで最近来るの早いの?」
密室作戦から数日、教室に一番乗りしていたせいか、仁美が疑いの目を向けた。
「……別に理由はないけど」
「ウソ。相沢先輩避けてるでしょ」
仁美に鋭く突っ込まれて、戸惑いながら答える。
「べ、別に避けてるわけじゃないよ。ただ、あまり会わないようにしてるだけで……」
「それを避けてるって言うんでしょ。
……でもまぁ、朱莉にしてはいい考えだよね」