恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
でも。
1ヵ月前とは明らかに違う先輩への想いには、気付かざるをえない。
『ムカつく』
純粋にそんな思いしか持っていなかったのに。
今は……、それ以外のごちゃごちゃとした思いが邪魔をする。
図書室でのキスは、今でもリプレイし続けられてる。
ありえないほど詳細に。
あの時の、先輩の表情。
先輩の体温。香り。
図書室の雰囲気。
日差しの傾き方。
唇の、感触―――。
ストップをかけようとしても、言う事なんか聞かないでどんどん溢れ出てくる先輩との事。
キュッと唇を噛み締めて俯いた。