恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
「っていうか、男がクレープとか食べないで欲しい」
「オレのおごりで買ってやったのに?!」
なぜだか安心を覚えるのは、きっと山岸の人徳。
持ち合わせた癒やしの雰囲気のせい。
山岸にしか成せない技。
……なんて事は絶対に本人には言わないけど。
「そういや最近朱莉来るの早いよな。
いつもオレと同じくらいだったのに」
「あー……うん。まぁ、なんとなく」
“作戦で”
そう言ってもよかったんだけど……。
自分ですら『作戦』と思えない今の状況に、言葉を濁した。