恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


「っていうか、男がクレープとか食べないで欲しい」

「オレのおごりで買ってやったのに?!」


なぜだか安心を覚えるのは、きっと山岸の人徳。

持ち合わせた癒やしの雰囲気のせい。


山岸にしか成せない技。

……なんて事は絶対に本人には言わないけど。


「そういや最近朱莉来るの早いよな。

いつもオレと同じくらいだったのに」

「あー……うん。まぁ、なんとなく」


“作戦で”

そう言ってもよかったんだけど……。


自分ですら『作戦』と思えない今の状況に、言葉を濁した。



< 127 / 364 >

この作品をシェア

pagetop