恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
同情の余地なし
それからというもの、今日までの約1ヶ月間、相沢先輩に取り締まられっぱなし。
あそこまで毎日徹底されて注意されるとか、もうイジメの域に近いと思う。
頭脳明晰の『完璧』って言葉が似合いすぎる男からの、目には見えない精神的なイジメ。
タチが悪い事、この上なし。
そこらへんのアイドルなんかよりよっぽどカッコいい先輩から放たれる言葉は、背中をゾクっとさせると同時にそれ以上のイライラを感じさせる。
っていうか、生徒会長のくせにイジメとか絶対ダメだし。
何考えてんだろ。
「大体、あたしが人生初めての失恋した翌日にあんな涼しい顔して注意してきたりして、デリカシーなさすぎだし。
最初っから合わないんだよね。タイミングも波長も、とにかく全部合わないっ!
確かに外見はいいかもしれないけど、みんな騙されてるって!」
思い出すとどんどんイライラしてくる。
限りを知らないんじゃないかって思うくらいの怒りを爆発させると、仁美が頬杖をつきながら言う。