恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
先輩にもらった言葉が、少しの期待を持たせる。
そんな訳ない。
そう思いながらも、気持ちの中に芽生えた淡い期待は摘めなくて。
もしかしたら、先輩も少しは気にかけてくれてるのかもしれない……。
そんな風に考えちゃう頭を何度も振る。
それでも期待する胸が高鳴るのを、抑えながら家を出た。
もうすぐ梅雨入りするはずの空は青一色にどこまでも突き抜けていて、すごくキレイ。
じっと見上げてると少しだけ気持ちも落ち着いてきて、そんな胸を軽く押さえて深呼吸した。
そしてゆっくりと歩き始める。
校門にいる、先輩に向かって。