恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


相沢先輩は、毎朝ただ仕事をしてるだけで、あたしに声をかけるのも、きっとただの気まぐれ。

仕事のうち。


『校則は、恋愛まで取り締まってないし』

先輩の声が冷たく残る。




なんで……、なんで自分だけ特別なんて思ったんだろう。


相沢先輩にとっては、名前を呼んだり、かまったりするのなんて、なんの意味もない。

キスでさえ……、あたしへの嫌がらせだったんだ……。


全部、全部……っ。


それを『特別』なんて期待したあたしがバカなんだよ。



大体、敵だったハズじゃない。

こんなの、ただ作戦に失敗しただけじゃん。


なのに……。

なんで……、なんで、好きになったりしちゃったんだろう。



次の作戦なんか、もう考えられない……。

考えられる訳ない。





< 163 / 364 >

この作品をシェア

pagetop