恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
相沢先輩は、毎朝ただ仕事をしてるだけで、あたしに声をかけるのも、きっとただの気まぐれ。
仕事のうち。
『校則は、恋愛まで取り締まってないし』
先輩の声が冷たく残る。
なんで……、なんで自分だけ特別なんて思ったんだろう。
相沢先輩にとっては、名前を呼んだり、かまったりするのなんて、なんの意味もない。
キスでさえ……、あたしへの嫌がらせだったんだ……。
全部、全部……っ。
それを『特別』なんて期待したあたしがバカなんだよ。
大体、敵だったハズじゃない。
こんなの、ただ作戦に失敗しただけじゃん。
なのに……。
なんで……、なんで、好きになったりしちゃったんだろう。
次の作戦なんか、もう考えられない……。
考えられる訳ない。