恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
「明日から送り迎えするから。
偽造彼氏って事でよろしくな」
「……」
「つーか、朱莉がイヤだって言ってもするし。
俺も会長に髪注意されたりするから、やり返してやりたいし」
自分の髪を触りながら言う山岸。
何も言わずに見ていると、山岸は困り顔で笑った。
「……そろそろ行かねーと遅刻だろ?」
その顔が、ツラそうだった。
「……そうだね。行こっか」
なんとか笑って頷くと、山岸がホっとしたように微笑んだ。