恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
「カバン貸して」
山岸の理想とする彼氏像。
「カバンくらい自分で持てるから!」
にこにことご機嫌顔であたしのカバンを持つ山岸から、勢いよく取り返す。
「あ、なんだよー……ちぇっ」
子供みたいに口を尖らせる山岸を、ジロっと見上げた。
山岸の理想彼氏像。
1、彼女のカバンを持つ。
2、当然、送り迎え。
3、もちろん彼女が歩道側を歩く。
4、ドアは彼女に開けさせない。
5、階段やエスカレーターでは、パンツが見えないように彼女の後ろを歩いてガード。
6、……etc
完全なレディファースト。
……日本男児のくせに。
軽くひいちゃうくらいの山岸の徹底振りに、顔が引きつる。