恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


「ブラウスが濡れて肌が透けてる」

「あ……、」

「俺のわがままで悪いけど……。

朱莉のそんな姿、他の男に見せたくないんだ」


先輩が、また変に期待させるような事を言うから、ドキドキ反応した胸がうるさい。

先輩が触れてる指先からそのドキドキが伝わっちゃいそうでイヤなのに、抑えるなんて無理で。


山岸との仲を知っても何にも言わなかったくせに……。

なのにこんなの、ズルイ。


先輩をなんとか見上げながら、唇を噛み締める。


軽く触れられただけの鎖骨が、雨の中でじわじわ熱を帯びる。




好きじゃないなら、放っておいて欲しい。

冷たくして欲しい。

かまわないで欲しい。



だけど……。







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