恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
「俺なら妬くけどね。
それより朱莉、早く着替えないと風邪引くよ」
「あ、はい……」
促されてブレザーを脱ごうとしたけど……。
先輩の視線はまだあたしにあるから、その手を止めた。
「あの……、」
「俺は後ろ向いてるから」
「……」
長机に浅く腰かけて背中を向ける先輩に、思わず苦笑いがもれる。
「……いくら後ろ向かれてても無理なんですけど」
大丈夫なわけない。
17才っていう思春期真っ只中の女子高生にそんな事言われても、まず無理だし。
先輩が相手って時点で、さらに無理。