恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
きっと、今話した事みたいに、先輩にはあたしの知らない部分がいっぱいあるんだ。
あたしは、本当に先輩の一部分しか知らないんだ……。
急に寂しくなって、俯いて、唇をキュッと噛み締める。
―――傍にいたい。
いつも傍にいて、全部を知りたい。
全部、教えて欲しい。一緒に、いたいよ。
今まで、言葉や気持ちを止めていたストッパーが外れたのを感じた。
振られたら、なんていう恐怖や不安よりも、先輩への気持ちが勝った。
好きで、好きで、好きで。
それ以外の気持ちが、見えない―――……。