恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


優しくするのは、泣いているから。

Yシャツを貸してくれたのは、濡れていたから。


いじめられた子に貸すのと一緒。


そこに特別な感情なんてきっとない。

これから先も、ずっと―――……。



「……わかりました。

じゃあ相沢先輩も……、あたしにかまわないでください」

「……え?」


必死に出した声で、言いたくない言葉を伝えた。

声が、震えてた。



想われなくてもいいから優しくして欲しいなんて思わない。


想われないなら……、早くここから抜け出したい。

この気持ちを切り離しちゃいたい……っ。





< 211 / 364 >

この作品をシェア

pagetop