恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
優しくするのは、泣いているから。
Yシャツを貸してくれたのは、濡れていたから。
いじめられた子に貸すのと一緒。
そこに特別な感情なんてきっとない。
これから先も、ずっと―――……。
「……わかりました。
じゃあ相沢先輩も……、あたしにかまわないでください」
「……え?」
必死に出した声で、言いたくない言葉を伝えた。
声が、震えてた。
想われなくてもいいから優しくして欲しいなんて思わない。
想われないなら……、早くここから抜け出したい。
この気持ちを切り離しちゃいたい……っ。