恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


「オレには出来るよ。言ったじゃん、朱莉が好きだって。

彼氏が無理ならせめて一番の友達でいさせてくれよ」

「……でも、」

「でもじゃなくて。

つーか……、ほら、オレも諦めないとか結構意地悪い事言っちゃったし。

それに朱莉悪くないじゃん」

「……悪いよ。山岸振ったし」

「じゃ、おあいこって事にしない?

それで仲直りしようぜ」


どこまでも人のいい山岸に、苦笑いをしようとして、失敗した。



山岸の大きな優しさに救われて、また目が熱を持つ。

いつも通りの笑顔が嬉しくて、涙が溢れる。


「友達っていうか、ペットだけどね」


横から仁美の突っ込みが入って、山岸が表情を歪めた。





< 223 / 364 >

この作品をシェア

pagetop