恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
「オレには出来るよ。言ったじゃん、朱莉が好きだって。
彼氏が無理ならせめて一番の友達でいさせてくれよ」
「……でも、」
「でもじゃなくて。
つーか……、ほら、オレも諦めないとか結構意地悪い事言っちゃったし。
それに朱莉悪くないじゃん」
「……悪いよ。山岸振ったし」
「じゃ、おあいこって事にしない?
それで仲直りしようぜ」
どこまでも人のいい山岸に、苦笑いをしようとして、失敗した。
山岸の大きな優しさに救われて、また目が熱を持つ。
いつも通りの笑顔が嬉しくて、涙が溢れる。
「友達っていうか、ペットだけどね」
横から仁美の突っ込みが入って、山岸が表情を歪めた。