恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


だって……。

『きれいな髪だね』

先輩がそう言ってくれた髪に、触れられたくない。


この期に及んでも先輩の事ばかり考えてる頭に、苦笑いがこみ上げそうになる。

けど、目の前まで近づいた先輩達に髪を引っ張られて、顔をしかめた。


「いた……っ、やめて!」


抵抗すると、先輩達は満足気に笑う。


「あんまり風紀乱されちゃ相沢くんが大変だからね。

お手伝いしてあげるだけ」

「これのどこが……っ」

「よかったね。他の男に慰めてもらえるよ。

相沢くんと山岸くん以外にも手出してんでしょ?」


睨みつけると、先輩達が薄気味悪く笑みを浮かべた。



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