恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
9..mission9
2度目のキス
「ちょうどよかったよ。いじめを取り締まる人数が増えて。
これも朱莉のお陰かな」
3人を逃がした後、座り込んだままのあたしに先輩が歩み寄る。
先輩が近づいてきたのが分かったけど、すっかり腰が抜けてるせいで、逃げるどころか立ち上がる事もできなかった。
安心したせいで滲んできた涙を浮かべたまま、先輩を見上げる。
「なんで、ここに……?」
小さな声で聞くと、先輩があたしの斜め上を指差して微笑む。
さっきまでとは違う、優しい顔だった。
「言ったろ? 生徒会室からよく見えるって」
「……もうかまわないでって言ったのに」
目を逸らして言う。
自分でも可愛くないって思う態度だった。