恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
「な、に……?」
びっくりして先輩の胸を押すと、先輩が言う。
「偽物の彼氏に俺が義理を立てる必要はないよね」
先輩と校舎の壁に挟まれながら顔をしかめた時。
先輩の唇が、あたしの口を塞いだ。
ハっとして抵抗を始めたけど、顎をしっかりと支える手に、顔を背ける事もできなくて。
戸惑って……、でも、何も考えられないのに、なんでだか嬉しいって気持ちが溢れてきちゃって。
本能に催促されるままに、ゆっくりと目を閉じた。
でも、唇の間から入ってきた先輩の舌を感じて、驚いて先輩の胸を押し返す。
けど、先輩はそんなの気にも留めないで、キスを続けた。
「……、や……、んんっ……」
いつもの涼しそうな顔からは想像できない、深く熱いキス。
頭が痺れていくのを感じた。
「……ん、」
先輩のYシャツを握る手に、力と熱がこもる。