恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
先輩の気持ち
「山岸くんとの事は朱莉に騙されたな」
なんか……、さっきから先輩の言ってる事がよく分からない。
『少し焦った』とか、そんなの……。
あたしの事を好きだって言ってるみたいに聞こえるんだけど……。
「あの、『今回は』って……?」
『今回は結構いい男を選んだね』なんて、まるで他にもあたしが誰と付き合ってたかを知ってるみたいな言い方だ。
不思議に思って聞くと、先輩が笑う。
「角田っていったっけ。
朱莉に酷い振り方をした最低な男は」
先輩があたしと角田の事を知ってた事にびっくりして見つめてると、先輩が続ける。
「最近また遊びだしたみたいだね。
色々と悪い噂を流してせっかく大人しくさせたのに。
あの男の女癖の悪さには呆れるよ」
「悪い噂を流したって……?」