恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


先輩の口から出たとは思えない言葉に、思わず笑いそうになる。

それを隠そうと布団を頭までかぶると、相沢先輩の不満そうな声が聞こえた。


「……朱莉、今笑った?」

「笑ってません……っ」


慌てて否定したものの……。

声に出して笑うのを我慢してるせいで、体が震える。


だって、あの相沢先輩が注射が苦手だとか……、可愛すぎてこみ上げてくる笑いを我慢できない。


「随分元気そうだね」


布団に隠れるようにして笑うあたしに先輩が言う。

その声はムっとしてるみたいにも聞こえて、やばいって思いながら目から上だけを布団から出した。


「……そんな事ないです」

「そう」


なんとかそれだけ言ったあたしをしばらく見てから、先輩が布団に手をかける。

そして、一気に布団をはいだ。



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