恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


「っていうか、多分、自信がないんだと思う……」

「自信って?」


お昼休みの教室。

食べ終わったお弁当をしまいながら、仁美が聞く。


ざわざわした教室の中、山岸がなにやら騒いでるのが聞こえてくる。


「相沢先輩ってすごく人気あるし、そんな人の彼女があたしなんかでいいのかなって」

「そんなん今さらじゃん。

それに、先輩が朱莉が好きだって言ってるんだからそれでいいじゃん」

「そうなんだけどさー……。

こんなに可愛げない態度とってばっかりだとそのうち愛想つかされる気がする……」

「朱莉、負けず嫌いだし、意地っ張りだしあまのじゃくだしねー」

「……」

「ちょっとは素直になってみれば?」

「えっ、どうやって?」


机に身を乗り出して聞くと、仁美が首を傾げる。



< 282 / 364 >

この作品をシェア

pagetop