恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


「いや、知らないけど。あ、でも、朱莉達って、まだキス止まりなんでしょ?」

「……だってまだ付き合って3ヵ月ちょっとだし」

「そろそろそんな関係になってもいい頃だし、朱莉から可愛らしく誘ってみるとかは?

押し倒して『あたしを先輩のものにしてください』みたいな……」

「無理っ! ……普通の会話でさえ素直になれないから相談してるのに、いきなりハードル上げすぎだし……」


仁美が何かしら打開案を出してくれるのかと思って期待してたのに。

ガッカリしながら机に乗り上げてた身体を戻して、座りなおす。


そんなあたしに、ニヤリって笑った仁美が顔を近づけてきた。


「っていうか、相沢先輩みたいな人ってどういうエッチを……」

「仁美……っ」


急にそんな事を言い出すから慌てて止めた時。


「―――俺がどうかした?」


すぐ近くから、相沢先輩の声が聞こえた。

バっと振り向くと、あたしのすぐ後ろに立った先輩が、ニコリと微笑む。


先輩の登場に、クラスの子が騒ぎ出す。



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