恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
疑惑の真相
「失敗した……。完全に失敗……」
無意味に終わった作戦のせいで、残り少なくなってしまった昼休み。
うなだれながらぶつぶつ言うあたしを、仁美が呆れた顔をして見た。
「っていうか、キャストに山岸をチョイスした時点で失敗確定でしょ」
「なんでだよっ! 俺、頑張ったのにっ」
「山岸の場合、頑張っても常に空回ってるんだよね」
誰といても、どこにいても山岸はいじられキャラで、そんなところも山岸の人柄を表していて憎めない。
「……頑張りすぎだよ。なんでヤンキー設定……」
もう話す気力さえ湧かない状態でぼそりと言う。
……ううん。悪いのはヤンキー役に徹した山岸じゃない。
悪かったのは、甘すぎた作戦。
相沢先輩を甘く見てた自分。
……思ったよりも悪かった、自分の頭。