恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
先輩の態度とか言葉とか、クラスの子からの視線だとか。
そういうのが気に入らないっていうのはホント。
だけど何よりも一番気に入らないのは、相沢先輩の余裕。
こっちのペースを崩して、周りをこんなにも騒がせてるくせに!
自分ばっか、いっつも冷静で、表情ひとつ崩さないなんて!
「なに、あの男!!
絶対頭おかしい! っていうか、絶対確信犯だし!
あたしが困ってるの見て楽しんでるとか、超趣味悪いっ!」
先輩が後にした教室で、怒りを爆発させる。
両手の拳を胸の前で握りしめてると、仁美がなだめるような笑顔を作った。
「まさか相沢先輩の話が嘘だったなんて誰も思わないしね~。
っていうか本当に付き合っちゃえばいいじゃん。似合ってるよ?」
「付き合える訳ないじゃん! 似合う似合わないの問題じゃないし!
合わないんだよ。何もかもが」