恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
考えてみたけど、全然頭に入ってこない。
まるで、中国語とスペイン語とかを組み合わせちゃったぐらいにありえなすぎて。
だって、先輩があたしを好きだなんて、そんなの、
「ないないないっ! ありえない!」
ぶんぶんと勢いよく首を振ると、仁美が苦笑いを浮かべる。
「それ、昨日の山岸と同じセリフ」
「とにかくないっ! 万が一あったとしても、絶対に付き合わない!
あんなキザでイヤミったらしい事ばっか言う男と付き合うなんて絶対イヤっ!
もし相沢先輩があたしを好きだったら振るまでだし、大体、振るために必死に作戦考えて……、って、作戦考えなくちゃ」
すっかり忘れていた事を思い出して、ハっとする。
けど、考えるのも面倒になって、ため息をついた後机に頭をもたれた。