恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
先輩にあたしを好きにさせる作戦……。
昨日、見事にかわされただけに気が乗らない。
っていうか、いっつもしてやられてるばっかだし、こうも敗戦続きじゃ憂鬱になるのもしょうがないっていうか。
「面倒くさいならやめればいいじゃん」
呆れて笑う仁美をチラっと見上げてから、口を尖らせたまま首を振る。
「ダメ。だってこのままじゃ相沢先輩が卒業するまでずぅーっと毎朝毎朝イヤミ言われるって事だもん。
そんなの耐えられない」
だからって、髪を黒くするつもりもないし。
別に茶髪に命をかけてるわけじゃなくて、ただ、先輩の言う事に従うのが気に入らないだけだけど。
みんなが茶髪の中、自分だけが注意されて、それだけでも理不尽なのにそれに屈するとか、冗談じゃない。
ってなると、どうしても先輩をどうにかする必要がある。
あの相沢先輩をどうにか作戦にはめて、注意はおろか、二度と話しかけることもできなくさせる必要がある訳で。