恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


「朱莉も毎日毎日よく引っかかるよね。

いい加減髪戻せば?」


首を傾げた仁美の肩を、赤茶色に染めた髪がサラサラ流れていく。

その色は、あたしよりも絶対に明るいし。


「っていうか、あたしくらいの髪色の子っていっぱいいるし、それ以上だって結構いるのになんであたしばっか……」


納得いかないまま、椅子にどすっと座る。

そして、納得いかないまま、注意されたばかりの髪を指先ですくった。


肩下20センチくらいまで伸ばしたストレートの髪。

確かに染めてはいるけど、茶色とこげ茶の間くらいの、派手じゃない色だし。

クラスの大半が髪を染めている中では、全然目立たないし、あたし以上に明るい髪の子の方が多いのにっ。


なぜだか毎朝相沢先輩に止められるのはあたしばっかで、溜めてきたストレスもいい加減限界だった。



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