恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
「……行かない。合コンはいい思い出ないもん」
高校に入ってから仲良くなった仁美に、毎月のように合コンに連れて行かれた。
言い寄られて、そんな悪い気はしなくて付き合ってはみるものの。
長くて1ヶ月。短くて5日。
なぜか、別れを告げられるのはいつもあたしの方だった。
「朱莉はさ、見た目よりも中身が子供っぽいっていうかねー。強情っていうか、真面目すぎるっていうか。
まぁ……いい意味、純情なんだよね」
「……それ慰めてるつもり?
別にいいけど。合コンきっかけに付き合った人って誰も好きじゃなかったし」
「だね。だって好きな相手だったら態度も可愛くなるだろうしねー。
いくら朱莉だって好きな男の前だったら負けず嫌いも、気の強さも封印するもんね」
「……なんで分かるの? そんな事」
「だって角田の時は大人しくしてたじゃん。
その後の彼氏A、彼氏B、彼氏Cの時とは大違いだったし」