こうして未来は繋がっていく―黒猫シロと僕―[完]
<ぼくは、おんなのこのいえにいって、「おかあさんがかってもいいって」とはなすと、
おんなのこは「ありがとう」とわらいます。
おんなのこからこねこをあずかると、おんなのこといっしょにぼくのいえまでいきました。
そこでおんなのこは、ぼくのおかあさんとはなしをして、
「あたらしいおうちをちゃんとみつけてあげるからね」
というおかあさんのことばに、めになみだをためて
「よろしくおねがいします」とあたまをさげてかえっていきました。>
――
香澄は、俺が飼うというとすごく嬉しそうに笑っていた。
だから、俺の口からは「新しい飼い主を探すまで」その条件を話すことが出来なかった。
家に着いて俺の母さんからその話を聞いて、目に涙をいっぱい溜めて、きゅっと下唇を噛み、
「おばさん、だいちゃん、よろしくおねがいします」
そう頭を下げて帰って行った―――。