こうして未来は繋がっていく―黒猫シロと僕―[完]
<だから、ぼくはおんなのこにきいてみます。
「くろなこなのにシロなの?」
おんなのこは、わらってうなづいて「くろねこなのにシロっておぼえやすいでしょ?」そういいました。
ぼくも「くろねこのシロ」というひびきがきにいって、こねこのなまえはシロになりました。>
――
香澄に、「なんで黒猫なのにシロ?」と聞いてみた。
すると、「お母さんが聞いてた歌の中にね、「からだの色を名前にすると早くしぬ」って言葉があったの。だから、その人は反対のなまえを付けたんだ。だから、黒猫のシロ!」子猫を撫でながら香澄は言う。
「くろねこのシロ、くろねこのシロ……」
口の中で何回も繰り返して言ってみる。
だんだん言葉が馴染んできて、「シロ」と言う名前しか考えられなくなっていた。
「じゃあ、黒猫のシロな!」
俺がそういうと、香澄はまた笑顔になって大きく頷いた。