こうして未来は繋がっていく―黒猫シロと僕―[完]
<ぼくとおんなのことシロがであって、すうねんがたちました。
シロはたまにひとりでそとにあそびにでかけます。
あかいくびわがめじるしです。
ぼくがそとであそんでいると、たまにシロとあいました。
ぼくが「シロ」とよぶと、ちらっとこちらをみてへいのうえをあるいていきました。>
――
俺と香澄がシロを飼いだしてから、2年が過ぎた。
小さかったシロは、すっかり大人になっていた。
香澄は、俺がいなくてもたまにシロに会いに来ているようだった。
シロにはどこか、家の中に抜け道があったようで、友達の家に遊びに行く途中などで出くわす事があった。
赤い首輪は、香澄がお母さんにお願いして買ってもらったらしく、「だいちゃん、これ、シロにつけていい?」と持ってきたものだった。
ちりんちりんと綺麗な鈴の音がして、俺も香澄もとても気に入っていた。
塀の上を歩くシロを見かけて「シロ」と声をかければ、シロはちら、とこちらを見て、そのままどこかへ消えていく。
夜になると、家に帰ってきて俺と一緒に寝る。
そんな毎日だった。