こうして未来は繋がっていく―黒猫シロと僕―[完]
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その日は俺の誕生日の翌日で、「誕生日は香澄ちゃんと過ごすだろうから、次の日帰っておいで」と言われていて、2日間有給を取って、香澄と一緒に実家に帰った。
久しぶりに会ったシロは、もうあまり動かなくて、一日寝てばかりだと言っていた。
けれど、俺と香澄が帰ると嬉しそうにしっぽを上げて足元に擦り寄ってきて。
香澄も俺も、「元気そうでよかったね」と顔を見合わせて笑っていたんだ。
昼ごはんを食べてから、少し昼寝をしようとリビングのソファに横になる。
香澄はちょっと帰ってくるね、と実家に帰って行った。
シロはクーラーの聞いた部屋の窓際で、お気に入りの俺の使い古しのタオルに丸まって。
「おやすみ、シロ」
俺の挨拶に小さくニャーと返事を。
そして、そのまま、目を覚まさなかった―――。