こうして未来は繋がっていく―黒猫シロと僕―[完]
そんな甘い時間を少しだけ過ごしていると、香澄が何かを思い出したかのように、「あ、」と声をもらす。
「どうした?」
「ねえ、大ちゃん、小包届いた?」
「ああ」
「読んでくれた…?」
恐る恐る、上目遣いでそう問われて。
「読んだ。いいな、あれ。シロが俺んとこにきてた」
くくっと笑いながら、さっきの出来事を話せば、香澄もまた、目に涙を溜めてふふっと笑う。
「シロも、喜んでくれたんだぁ…」
「あれ、誕生日プレゼントだろ?」
そう聞くと、「あれは、シロのためと、10年記念かな?」と。
「誕生日はこっち」
カバンの中から、ゴソゴソと四角い箱を出してくる。
「改めて、誕生日おめでとう」
「ありがと。見ていい?」