こうして未来は繋がっていく―黒猫シロと僕―[完]
新しい未来へ向けて――
朝まで抱きあって、起きたら昼過ぎだった。
隣を見れば、香澄はまだ眠っている。
ちょっと無理させたかな…
そんな事を思いつつ香澄の髪をゆるゆると撫でていると、香澄が目を覚ます。
「おはよ、大ちゃん」
「おはよ」
ふっと笑って香澄を見れば、少し恥ずかしそうに目を伏せて。
指にはまっている青い石のついた指輪を優しく撫でながら、目の前にかざしている。
「やっぱり、綺麗…。シロの目と同じ色…」
そのとき、頭の上を風がふわっと通り抜ける。
「シロ…」
二人で目を見合わせて、ふふっと笑って起き上がる。