こうして未来は繋がっていく―黒猫シロと僕―[完]
過去―香澄の絵本
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<ある日、ぼくはこうえんにあそびにいきました。
こうえんにいくと、大きな木の下でおんなのこがないていました。>
――
あれは確か、1年生になったばかりの頃。
学校が終わってから友達と遊ぼうと公園の前を通りかかったとき、公園の中に香澄の姿が見えた。
香澄は公園にある一番大きな木の下で、しくしく泣いているようだった。
「どうしたんだろ…」
不思議に思って近付くと、香澄はハッと顔を上げて、
「だいちゃん…、どうしようー」
そう言ってまた泣き出した。
「かすみ、どうした?ちゃんと教えて?」
すると香澄は、木の上を指差した。