こうして未来は繋がっていく―黒猫シロと僕―[完]
<ぼくは、どうしようかとかんがえました。
おんなのこは、ぼくのふくをにぎりしめてまだないています。
すると、ぐうぜんとおりかかったともだちとおかあさんが、「しょうぼうしょ」にでんわしてくれました。
しばらくまっていると、おおきなしょうぼうしゃがやってきました。>
――
「ねえ、かすみ。ちょっと待ってて。おれ、たいしたちと遊ぶ約束してるから、
断ってくる」
「わかった。ここでねこちゃん落ちないか見てるね」
香澄は、そう言って泣きながら視線を木の上に戻した。
俺は急いで大志の家に行き、事情を説明する。
すると、話を一緒に聞いていた大志のお母さんが、
「じゃあ、おばさんが消防署に電話して聞いてみてあげようか」
「消防署?」
「そう。ちょっと待っててね」
そう言って、リビングに行き電話をかけてくれた。
「今から来てくれるって」
微笑みながら教えてくれたおばさんに、「ありがとう」とお礼を言って公園に戻ろうとすると、大志も一緒に付いてきた。