こうして未来は繋がっていく―黒猫シロと僕―[完]
<しょうぼうしさんは、あっというまにこねこを木からおろしてくれました。
おんなのこのてに、そっとこねこをてわたして、「これはきみのねこなの?」とはなしかけます。
おんなのこは、「ちがうよ、でもわたしがかう。おかあさんにおねがいするの」とこねこをうけとりました。
しょうぼうしさんは、「だいじにしてあげてね」とおんなのこのあたまをなでて、かえっていきました。>
――
消防士さんに子猫を手渡された香澄は、「これは君の猫?」と聞かれて、首を横に振る。
でもどうしても飼いたいのか、「かすみ、帰ってお母さんにおねがいするの」と真剣な表情で話していた。
それを見た消防士さんは、優しく微笑んで香澄の頭を撫でて「大事にしてあげてね」そう言って帰って行った――。