こうして未来は繋がっていく―黒猫シロと僕―[完]


<しょうぼうしさんは、あっというまにこねこを木からおろしてくれました。

おんなのこのてに、そっとこねこをてわたして、「これはきみのねこなの?」とはなしかけます。

おんなのこは、「ちがうよ、でもわたしがかう。おかあさんにおねがいするの」とこねこをうけとりました。

しょうぼうしさんは、「だいじにしてあげてね」とおんなのこのあたまをなでて、かえっていきました。>


――

消防士さんに子猫を手渡された香澄は、「これは君の猫?」と聞かれて、首を横に振る。

でもどうしても飼いたいのか、「かすみ、帰ってお母さんにおねがいするの」と真剣な表情で話していた。

それを見た消防士さんは、優しく微笑んで香澄の頭を撫でて「大事にしてあげてね」そう言って帰って行った――。

< 8 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop