ぼくのひーろー
ひなは一言も話さないままみんなの自己紹介を聞いていた。
「ひな、俺、拓人。
よろしくな?」
俺も自己紹介をした。
「俺、結城!
よろしく」
高校1年生で慶の双子の兄、結城
「俺は慶。
なかよくしよなぁ」
そして弟、慶。
「俺、信五っていうねん。
よろしくなぁ」
高校3年生の信五。
信五がひなに目線を合わせるように
しゃがんで頭をなでた。
信五が手をあげたとき、
体を震わせながら目をつぶったのは
みんな見ないふり。